つらつらと、つらつらと

見たこと、感じたことをつらつらとつづっていきます

工学部水柿助教授の日常

森博嗣の水柿シリーズ第一段。水柿助教授は、短編集には登場しているが、長編には初登場(のはず)。

工学部・水柿助教授の日常 (幻冬舎文庫)

工学部・水柿助教授の日常 (幻冬舎文庫)

V、S&Mシリーズとは違い、淡々と物語が進んでいく。著者本人とその家族がモデルとなっていると思われるが、細かいところはどうも違うよう(当たり前だけど)。これまでに発行されたWeb日記に記述されている内容と少し違うので・・・(どっちが本当の姿なのか分からないけど)。しかし読み進めていくと、95%位著者本人と重なるイメージとなった(当然、ご本人とお会いしたこともなく、実際にどんな方かは知らないので、Web日記や他のテキストと比較してと言う意味で)。
著者は現在名古屋在住で、この作品に限らずシリーズ物に関しては名古屋が基本舞台となっている(作内では那古野と表記されているが)。自分は、大学時代名古屋市内を通学コースにしてたし、遊び場も名古屋市内が多かったので、作品に非常に親近感がわく。本作では、主人公の水柿助教授が大学院を卒業してから数年間を過ごした三重県の津市に関する話題も一章に渡って取り上げられており、さらに親近感を持てた。と言うのも、自分の祖母が津市に住んでおり、よく知っている街なので。
と言うわけで、自分にとってはとても面白く読むことができた。ただ、客観的に見ると、たいした内容が書かれているわけでもなく、どちらかというと(言い意味で)くだらないことが書かれているし、文体も好き嫌いが分かれそうなので、万人にお勧めできないかもしれない。既に発行されているWeb日記を抵抗無く読める人なら大丈夫と思う。要はそのWeb日記を小説チックにアレンジした物とイメージしてもらうといい。