つらつらと、つらつらと

見たこと、感じたことをつらつらとつづっていきます

アナザヘヴン2 Vol2,3,4

2巻から4巻まで一気読み。うまい具合に1巻が起、2巻が承、3巻が転、4巻が結となっている様子。狙っているのかも。

アナザヘヴン2〈VOL.2〉 (角川ホラー文庫)

アナザヘヴン2〈VOL.2〉 (角川ホラー文庫)


アナザヘヴン2 (Vol.3) (角川ホラー文庫)

アナザヘヴン2 (Vol.3) (角川ホラー文庫)


アナザヘヴン2 (Vol.4) (角川ホラー文庫)

アナザヘヴン2 (Vol.4) (角川ホラー文庫)

吾郎、飛鷹、早瀬など主要登場人物の視点からの描写が交互に構成されているのは、1巻と同様。一見並列に思えるが、明らかに吾郎が主役扱い。
吾郎は原地球人の末裔という設定で、純地球人でないと地球外宇宙人の末裔である戸津山の企み(クローン人間を作る技術を完成させ、永遠の命を保障したい)を阻止できないと言うことらしい。戸津山の企みを成就させるためには、”地球外宇宙人の故郷星マルデックの巫女”である吾郎の彼女の紀子と”マルデックの破片の紫の石”、皆既月食の夜という3つの要素が必要で、それを”ヒーロー”吾郎が阻止するという結構ベタな設定。とは言うものの、結構軽快に読むことができた。
後書きでも書かれているけど、前作(アナザヘヴン”1”)と比べると、精神面での描写が中心となっている。と言うことなので、前作のような派手な事件やその解決、またはスプラッタホラー的な物を期待していると外されてしまう。
それとは一致しないかもしれないけど、自分の読後のイメージとしては、笠井潔の「ヴァンパイヤー戦争(ウォーズ)」の様な印象を受けた。10数年前に読んだ本で正確には覚えていないし、どこがどうという説明ができないので、あくまでもイメージとしてね。多分、自分は普通の人間だと思っていたけど、事件に巻き込まれた後そうではないと気付き、葛藤しつつその運命を受け入れるという流れが同じなのかなあ?それだと栗本薫の「魔界水滸伝」とも同じだなあ。
テーマは何だろうと考えると、「全てを受け入れること」かな?自信はない。人間誰しも良い面悪い面があって、白黒はっきり付けることはできない。だから全て受け入れようと言うことだろう。