著者は、(有)ヒューマン・ギルドという会社の社長でアドラー心理学に基づくカウンセリングをしている岩井俊憲氏。サイトを見てみると、個人へのカウンセリングはもとより法人向けのコンサルティングや教育もやっているよう。
企業研修、アドラー心理学講座、カウンセリング、カウンセラー養成のヒューマン・ギルド|企業向け研修・教育機関向け研修にも実績があります。
本書はタイトルであるようにマンガのパートと、そのマンガの内容を補足・解説する本文のパートが交互に展開される。
マンガパートの主人公は、ケーキのチェーン店の店長からエリアマネージャに昇格したばかりの前島由香里という女性。由香里にしか見えないアドラーが現れてアドバイスしていき、スキルアップするというストーリィ。どこかで見たような設定だなと思ったら、3月に読んでブログに上げた「神さまとのおしゃべり」とそっくり。こちらは冴えない営業職の男性が主人公だけど、神さまがアドバイスするところは同じ。この手の読み物は、こういう設定が分かりやすいのかしら。
閑話休題、本書で自分がポイントと思ったのは、次の3つ。
- なぜそんな行動をした(する)のか考えよう
- パーソナリティの違いを認めよう
- 短所は長所に置き換えよう
1.なぜそんな行動をした(する)のか考えよう
製造ラインで不具合が発生すると(自分は製造業に従事しています)、なぜその不具合が発生したのか、原因を追及してその原因に対して対策を打つことが普通だと思っていたので、「原因を探ることは、解説にはなるけれど解決には繋がらない」(P73)と書かれているのを読んで、はじめは不審に思った。だけどよく読むと、製造ラインのことを言っているのではなく、"人の行動"に絞って言及しているのだと言うことが分かった。それであれば話は納得。人がその行動をした原因を探っても、過去にさかのぼって改善することはできないのだから、"行動"そのものにフォーカスを当て、その"目的"(原因/理由ではない)を解き明かすことで、未来志向で解決していこうと言うこと。あぁスッキリ。
2.パーソナリティの違いを認めよう
親や上司は、影響を与えることはあっても、子どもや部下を自分の色に完全に染めることはできません。(P125)
これは当たり前の話だけど、なかなか意識できないこと。 つい「自分なら・・・」と考えてしまいがち。ココは素直に反省して意識変革をしようと思う。
3.短所は長所に置き換えよう
2とも関連するのだけど、「自分なら・・・」と考えた続きに相手のいろいろなことが短所に思えてしまう。自分の性格ですら簡単に直らないのに、他人の短所を長所に変えるのは無理だと思わなくてはならない。その代わり、短所だと思うところを長所に置き換えてあげると言うこと。例えば"頑固"→"信念が強い"とか。こう考えると自分も相手もラクになるし、次のアクションに繋がる。
4.まとめ
本書での学びは、
- 相手は自分とは違う
- 相手の行動の理由を考える
- 短所は裏返せば長所である
を意識すること。特に身近な人ほど意識しづらいので注意しよう。