つらつらと、つらつらと

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【読書メモ】インサイド・アップル

本書は「フォーチュン」誌シニアエディタのアダム・ラシンスキー氏が、スティーブ・ジョブズの死去直後辺りに上梓した組織としてのアップル論で、日本では2012年3月に刊行されている。

よく言われるジョブズの傍若無人さが、アップルと言う会社にも大きく影響を与えていると書かれている。その手法は以下の通り。

  • 組織を細かく管理
  • 恐怖と強要の文化
  • 徹底した守秘義務

これらは大企業になればなるほどできなくなっていくことだけど、これをジョブズ存命時は実践していたとのこと。

まあ、このことに関しては批判的に捉えることも、その逆もできる。とはいうものの、このアップル(=ジョブズ)の流儀を実践したために、成功したのかもしれない。

ジョブズ死去から4年弱、アップルの株価は一時期下がったものの、トレンドとしては上がり続けている。と言うことは、これまでのティム・クック体制が評価されていると見ていいのでは、と思う。でも今後はジョブズが直接関わっていないプロダクトが発表されていくと思うので、本当の意味での正念場はここからかも。

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でもそんなことより本書で自分が参考にできると思ったのは以下のこと。

アップルの目標は金をつくることではなく、本当にすぐれた製品、本当にすばらしい製品を作ること。(P84)

アップルは、ユーザー体験のことばかり考えている。収入の最大化は考えていない。(P85)

本当にすばらしいアイデアにあえてノーと言うこと。

いちばんすぐれたメッセージの伝え方は、明確、簡潔、反復ということ。(P151)

企業は失敗からもっと多くを学べる。苦労した事例にできるだけ注目する。(P205)

1.すべてはユーザーのために

ユーザーのために製品を提供して結果的に収益に繋がるのは理想的。自分の仕事で言うと、現場の人たちからのリクエストに対して、自分への見返り度外視で最大限応えることだと思うけど、なかなかできていないところがあるのでちょっとがんばらなくては。

2.選択と集中

ユーザーのために(実は自分たちのリソースの制約もあるけれど)、本当に必要なことだけにフォーカスすべき。1とも関係するけど、見極めが難しい。

3.伝え方はシンプルに

シンプルなフレーズを反復することで、相手の耳に刷り込まれ、聞いた人から同じ言葉で周囲に伝わるようになると言う意味だけど、自分がプレゼンする際にシンプルにしゃべれているかというと、これもなかなかねえ。

4.失敗事例にこそ学びが

プレゼンテーションするときには、うまくいったことだけを伝えるのではなく、失敗(苦労)したところをちゃんと伝えるべき。そのことで自分の記憶にも残るし、説得力が増す。

まとめ

著者が意図したところとは違う部分に反応しているのかもしれないけど、自分の学びになった部分を挙げてみた。