逆説の日本史 第9巻
今回は戦国時代編。倭寇から始まり、織田信長まで。
読み切るのにかなり時間が掛かってしまった。面白くなかったのではなく、読む時間がなかなか取れなかったので。
- 作者: 井沢元彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/05
- メディア: 文庫
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学校ではなかなか教えてもらえない、倭寇の詳細がよく分かった。前期と後期があり、前期は朝鮮半島で、後期は中国本土で暴れていた。それは授業で習った気がする。しかしそれらの大半7〜8割は中国人で構成されていたとのこと。だから厳密に言うと”倭”寇ではないらしい。そんなこと初めて聞いた。日本人も韓国人も中国人も倭寇=日本人と思っている(と思われる)。日本側としては事実を理解してもらうように働きかけるべきだった。日本人は昔も今も外交が下手だと言うことがはっきりする。
後は、琉球、毛利元就、武田信玄、織田信長へと話題が移っていく。
著者が強調しているのは、下克上の戦国時代といえども、天下を取るという意識を持って行動していたのは、織田信長だけだと言うこと。それは行動から判断してそう言える。例えば、
- 楽市・楽座で経済を豊かにしていること。→農業だけに依存しないようにしていること。
- 経済力を基盤として兵農分離していること。→年中戦争が出来る
- 足利義昭から副将軍へ推挙されても固辞していること。→幕府の配下には入らない
- 延暦寺など、事実上兵力を持った宗教組織と戦争していること。→既得権を持った組織の破壊。
等々。豊臣秀吉、徳川家康は、信長の作り上げたものをベースに受け継いだと言うことで、もし信長がいなかったら、天下を取ることは出来なかっただろう。
そういう意味では信長は、現在に置き換えてみてもスケールの大きな人物だったことが分かる。