つらつらと、つらつらと

見たこと、感じたことをつらつらとつづっていきます

犬坊里美の冒険

2010年1冊目の読了。今年は何とか年間60冊を読み込みたいと思う。
その中でおもしろかったものの感想を載せようと思う。あくまでも自分のためのメモという位置づけで始めることとする。
さて本書は、御手洗潔シリーズからのスピンアウト的な物語で、タイトルの通り犬坊里美が主役となっている。解説によると、2005/08〜2006/09に雑誌(女性自身)に連載され、2006/10にノベルス化、今回の文庫化となっていて、感想は今更感があるが、自分の覚え書きとして残しておきたいと思う。

犬坊里美の冒険 (光文社文庫)

犬坊里美の冒険 (光文社文庫)

主人公の犬坊里美は27歳という設定だが、その割には言葉遣いや行動が子供っぽく、違和感があった。それはクライマックスへの伏線だった。とは言うものの、過去の作品での里美の印象とも少しずれているような気がした(読み返したわけではないけども)。
本書は、弁護士見習いの里美の目線から裁判の進め方をわかりやすく解説しており、なるほどなあ、と思えることもいくつか。
島田作品としては、他の御手洗シリーズと比べると軽いタッチで読みやすい。前述の里美目線で、里美の心の動きを軽妙(?)に描いているためだろうと思う。
さてミステリとしてのトリックについては、若干脱力してしまうところがあるものの、女性向けの週刊誌に連載されていたことを考えると、さもありなんと言ったところ。