本書を読むきっかけとなったのは、元スターバックスCEO 岩田松雄氏の著書の中で推薦されていたこと。
「良い企業は偉大な企業になれるのか。そして、どうすれば偉大な企業になれるのか」「良いに過ぎない状態から抜け出せない病は治療できるのか」という疑問が、この本の基礎になったのだ。(P3)
と書かれているように、企業が飛躍するための要素を論じた経営指南書。
とは言うものの、自分は経営者ではないので、自分という個人、また自分が仕事で所属する組織が飛躍するためにはどうすれば良いか?という視点で本書を読んでみた。
企業が飛躍するためには、
- 第五水準のリーダーシップ
- 「適切な人材」の選別
- 確信と現実直視
- 世界一戦略
- 「規律の文化」の醸成
という5つの要素が必要とのこと。
現時点で”第五水準のリーダーシップを持った経営者”ではない自分にできることを考えると、3、4、5の3つ。
「3.確信と現実直視」
飛躍した企業は、厳しい現実を認識して、偉大な企業への道をたえず見直している。(P113)
何らかの理想に向かうには、現状がどうなっているか正しく認識する必要がある。でも情報が経営者に上がってくるまでにも、経営者が判断する場合にもバイアスがかかってなかなかうまくいかないことを言っている。これは個人でも同じ。現実を直視しないと、理想とのギャップがどれくらいあるのか、何をどれだけ改善しなければならないか分からない。
ストックデールの逆説
どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。そして同時にそれがどんなものであれ、自分がおかれている現実の中でもっとも厳しい事実を直視しなければならない。(P137)
うーん、おっしゃる通りですな。普通の人であれば挫折してしまうところを、第五水準のリーダーシップを持った人は乗り越えていくんだろうと思う。とは言え、成功する人は成功するまで諦めないということもあるので、粘り強くやり抜くことだと思う。
「4.世界一戦略」
①自社が世界一になれる部分はどこか
②経済的原動力になるのは何か
③情熱をもって取り組めるのは何か
の三つが重なるところに注力すべし、とのこと。
三つの円をすばやく理解するには、企業についてではなく、自分の仕事について考えてみるといい。以下の三つの基準に合う仕事ができると考えてみよう。第一に、持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を活かして、おそらくは世界でも有数の力を発揮できるようになる。第二に、その仕事で十分な報酬が得られる。第三に、自分の仕事に情熱をもっており、仕事が好きでたまらず、仕事をやっていること自体が楽しい。この三つの円が重なる部分を見つけ出し、それを単純で明快な概念にまとめて自分の指針にすることができれば、自分の人生を導く針鼠の概念を確立できたことになる。(P153)
ちょっと長めに引用したけど、全くこの通りと思う。でもなかなかこの通りの仕事ができるケースは少ないように思う。その代わり、目の前にある仕事をどうやって前述のような考え方にしていくかを考える必要があると思う。難しいけど・・・。
「5.「規律の文化」の醸成」
偉大な実績に飛躍した企業は、はっきりした制約のある一貫したシステムを構築しているが、同時に、このシステムの枠組みの中で、従業員に自由と責任を与えている。自ら規律を守るので管理の必要のない人たちを雇い、人間ではなく、システムを管理している。(P200)
まずは従業員の質を上げることになることを言っている。すべての従業員を一定以上のレベルで雇うことは現実的ではないと思うので、今いるメンバーのレベルをどう上げるか、チームの進むべき方向性、目標をどう共有していくかが重要と思う。
まとめ
- 現実を直視し、目標と現実のギャップを認識する
- 仕事を好きになり、楽しんで仕事をする
- メンバーとコミュニケーションをとり、方向性、目標を共有する
ってことを意識していく。
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